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2018年4月15日日曜日

レ・パ:大橋豊さん再審申し立て

司法の汚点すすぎたい


レッド・パージ被害者の大橋豊さん(88歳・元神戸中央電信局)が、大阪高裁に対し再審を申し立てることを四月九日に発表しました。
一九六〇年、最高裁大法廷は、レッド・パージはマッカーサー連合軍最高司令官の指令によるものであり、超憲法的効力を有するとして被害者の救済を拒否する決定を行い、それが確定したものとされてきました。
大橋さんが川崎義啓さん(101歳・元旭硝子)、安原清次郎さん(元川崎製鉄・二〇一六年に95歳で逝去)とともに、「生きているうちに名誉回復を」と〇九年に提訴した訴訟も一三年に最高裁が原告の上告の棄却・不受理を決定。三次もの再審請求も棄却されてきました。
しかし、大橋さんらの訴訟は、従来のレッド・パージ訴訟と異なり、解雇・免職の効力を争うのではなく、レッド・パージにおける政府の積極的な関与を理由として、直接、国の責任を問う国家賠償請求訴訟でした。
この裁判の中で明神勲北海道教育大学名誉教授は、膨大なGHQ資料に基づき、レッド・パージが連合軍最高司令官の指示・命令によるものではなく、日本政府と企業が主体的かつ積極的に推進したものであったことを証言。のちに六〇年最高裁大法廷決定を裁判長として下した田中耕太郎最高裁長官自身が、GHQにレッド・パージ指令を出すよう要請していたことも明らかにしました。
今回の申し立ては、大阪高裁判決(二〇一二年)が、「レッド・パージが日本政府の主導によってなされたなどの事情がある限り、訴訟人らの主張に理由がある」としていながら、日本政府がレッド・パージを主導したと認定できるかの評価を漏れ落としているとして、大阪高裁での再審を求めるものです。
大橋さん一人の申し立てとなりますが、すべてのレッド・パージ被害者の救済、さらには日本に立憲主義が真に根付きすべての人々の思想良心の自由の保障を実現するためにと、大橋さんと弁護団は意義づけています。
記者会見で大橋さんは、「レッド・パージは共産党員を社会から排除するものだった」と強調し、家族も含め現在まで続く苦難を述べ、「司法の汚点をすすぎたい」と訴えました。

写真:決意を語る大橋さん(右から佐伯雄三弁護団長、大橋さん、松山秀樹弁護士、同職場でレッド・パ―ジされた小西武雄さん)

(兵庫民報2018年4月15日付)

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