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2017年8月13日日曜日

国保自治体アンケート:兵庫県保険医協会

保険証未交付約3万7千世帯、差し押さえ6千4百件

兵庫県内の開業医でつくる兵庫県保険医協会(西山裕康理事長)はこのほど、「国保(国民健康保険)自治体アンケート」結果を発表しました。それによると保険証の不交付が約三万七千世帯、国保料(税)滞納による差し押さえも六千四百件以上にのぼるなど、高い国保料に苦しむ加入者の実態が浮き彫りになりました。
同調査は、県下の国保の現状を明らかにするため、二十五年連続して同協会が実施。県下四十一の全自治体が回答しています。

○保険証未交付

保険証未交付は、三万六千七百九十七世帯、未交付率四・六〇%。有効期間の短い短期保険証の交付は、三万六百十世帯、三・八二%。窓口でいったん全額自己負担しなければならない資格証明書の交付は、七千五百五十九世帯、〇・九四%でした。「依然として多くの人が医療機関で必要な医療を受けられない状態に置かれている」と指摘しています。

○保険料滞納17万世帯

国の保険料減額制度の利用は、五十二万千七十一世帯、六五・一%、市町の減免制度の利用は、八万二千三百二十四世帯、一〇・三%となっています。保険料の滞納世帯数は、十七万四千七百三十六世帯で、国保加入世帯の二一・八%にあたります。保険料滞納による差し押さえ件数は、昨年より増加して六千四百四十七件にのぼります。
災害や失業、生活困窮などの場合に国保法四十四条にもとづき、医療費の窓口負担を減免、猶予する制度が定められていますが、利用はわずか五市、百六十二世帯にとどまっています。国保法四十四条にもとづく減免制度がほとんど生かされていない実態が、あらためて浮き彫りになりました。

○都道府県化の影響

二〇一八年度からの国保の都道府県化による影響について、調査では、保険料への影響が「わからない」三十二自治体、「上昇する見込み」九自治体、「減少する見込み」はゼロとなっています。当事者である自治体ですら、都道府県化の影響がいまだ不明な実態が明らかになりました。
同協会は「国保は市民の助け合い制度ではなく、憲法二十五条の生存権によって定められた社会保障制度の大切な柱の一つである。国による国庫負担率の抜本的な引き上げが求められる」と指摘します。

(兵庫民報2017年8月13日付)

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