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2016年10月2日日曜日

「ヒバクシャ国際署名」被爆者の訴え、賛同広がる

神戸での国際反核行動(9月26日)で「ヒバクシャ国際署名」を訴えた人々
(写真提供:釘宮延恵さん)

「被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(ヒバクシャ国際署名)が、提唱されて半年足らずで、大きな広がりを見せています。
県知事さんや市町長さんからも賛同署名が寄せられつつあります。
私も先月、兵庫県原爆被害者団体協議会(兵庫被団協)からの各界(県知事や県会各会派、各種有力団体など)へのお願いに参加しましたが、お会いした多くの方に「この趣旨には大賛成、協力します」と受け止めていただきました。
核兵器国に追随して安倍政権が核兵器禁止条約の実現を妨げる態度をとっているなかですが、「政権より」と思われる方々の多くも、この署名運動には賛同・協力していただけることを実感しました。
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世界の核兵器禁止運動の歴史のなかで、どれだけ繰り返し、さまざまな署名運動が取り組まれてきたことでしょう。
―一九五〇年に始まった「ストックホルム・アピール(注)」には、全世界から五億(日本では約七百万)の賛同署名が寄せられたといいます。
―三十余年前には、「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」に人口の過半数の賛同署名を、という運動が取り組まれ、兵庫県下でも自治体ぐるみ、地域ぐるみの運動で「人口の過半数」を達成しています。
―昨年の核拡散防止条約再検討会議に向けても、一千万近くの署名が国連に届けられました。
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これだけの世界の世論に対しても、核兵器に固執する各国「指導者?」たちの姿勢は改まりません。平均年齢が八十歳を超えた被爆者からの「私たちの生きている間に」との訴えは、「こればっかりはあきらめるわけにいかないけれど、もういいかげんにして」とも聞こえます。
副島圀義)


【注】1950年3月にストックホルムで開かれた平和擁護世界大会第3回総会が採択したアピール。①威嚇・大量殺さつ戮りくの手段としての原子兵器の禁止と、禁止措置を遵守させるための厳格な国際管理を求める②いかなる国に対してであれ原子兵器を先制使用する政府は、人道に対する罪を犯すものであり、戦争犯罪者として扱われるべきだと信じる③全世界の心ある人々にこのアピールへの署名を呼びかける――というものです。(世界平和評議会「ストックホルム・アピール65周年声明」〈http://www.wpc-in.org/statements/65th-anniversary-stockholm’s-appealから。訳は編集部)


(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

兵庫労連新議長・成山太志さんに聞く

憲法どおりの社会へ役割増す労働組合運動の発展に全力


兵庫労連第五十二回定期大会(九月十日)で新しく議長に選ばれた成山太志さんに抱負を聞きました。 (文責編集部)

新議長の成山太志さん

議長に選ばれて、会う人ごとに「大変ですね」と言われます。私はいま五十五歳。元気に動けるのはあと二十年程度ではないかと考えています。その時間を最大限有効に使いたいと思い、九月末で郵便局を退職して労働組合運動に専念することになりました。阪神・淡路大震災から二十年が過ぎましたが、それと比べると、あと二十年もあっという間かもしれませんから、納得いくよう活動したいと思っています。

◎非正規労働者とともにたたかってきて


出身単組は郵政産業労働者ユニオンです。十八歳で郵便局に就職して以来、労働組合運動にかかわってきました。
一九九五年に日経連が「新時代の『日本的経営』」を発表して、非正規雇用をどんどん増やすという方針を出したとき、「ほんまにそんなことになるんかな」と思っていましたが、それまでなら、年賀状配達のアルバイトやOBの人しかいなかったのが、正社員から非正規への置き換えがどんどん進められました。
私たち正社員と同じような仕事をしながら非正規の人たちの待遇は、時給でいえば半分以下、年収にしたらボーナスもありませんから数分の一ぐらいでしょうか。こんな理不尽な差別は許せないという思いに突き動かされ、非正規の人たちにも労働組合への加入を呼びかけ、正社員化と均等待遇を求め、非正規の人たちも正社員も、労働組合が、楽しくて、学習もできて、入っていてよかったと思える活動をめざしながら、組合員を増やしてきました。
私は高校を卒業してすぐ郵政に入り、当時は公務員でしたし、不安定な働き方はしたことがなかったんです。しかし、非正規の人たちは倒産や就職難など、いろんな場面をくぐりぬけ、苦労もしています。そんな話を聞いて、私自身も視野を広げることができました。
増え続ける非正規雇用の問題は郵政職場だけではありません。若者では二人に一人が非正規雇用だと言われています。社会全体がそういう風になっていくなか、郵政の職場にきたことで、はじめて労働運動を知り、労働組合に入った非正規の人たちが、やめていってもまたどこかの職場で労働運動にかかわってほしいという思いもありました。

◎憲法を背負ってたたかう強み


改憲と、社会保障・暮らしへの攻撃―いま、安倍政権は両輪で攻勢を強めています。
安倍首相は「日本から非正規という言葉をなくしていきたい」といいながら、正規雇用の方の水準を下げようとしています。
普通に働いたら普通に暮らせるように。憲法二五条のいう「健康で文化的な最低限度の生活」が保障される社会になるよう、労働組合の果たす役割は大きいのではないかと思います。兵庫労連では最低賃金引き上げの運動や、ディーセントワーク宣伝を続けています。声をあげることが、必ず大きな力になると思います。
憲法県政の会でもいっていますが、「憲法が古くなったのではなく、憲法の理想の方に社会を沿わせるべきだ」「憲法が唱えている社会を実現しよう」というのがよりよい社会への道筋だと思います。安倍政権の改憲を打ち破ることは、「憲法を守る」ということだけでなく、「憲法に沿った社会を生み出す」というたたかいです。憲法を背負ってたたかうのは私たちの強みでもあります。
マスコミは安倍政権が強いように描いていますが、一つ一つの問題では安倍政権がやろうとしていることは少数派です。民主団体や市民運動などの共同を広げ、安倍政権の実態を明らかにしていけば、安倍政権も国民から見放されるはずです。

◎社会の進歩をすすめるために


高校まで洲本市で育ちました。
中学生のころから、父がとっていた「しんぶん赤旗」日曜版を読んでいました。当時のロッキード事件、田中金脈などについて、よくわかると思いました。
都会に出たら社会を良くする運動にかかわりたいという気持ちもあったので、郵便局ではすぐに労働組合に入ったわけです。
青年部でレクリエーションや労働学校など夢中になって活動していた若いころは永遠に時間があると思っていましたけれど、そろそろ人生の残りの時間も意識するようになりました。うまいものを食べたり、酒をのんでいるだけではむなしい。社会とのかかわりで生きているんですから、社会の進歩を少しでもすすめるために生きたいと思います。
薬剤師の妻と非正規雇用労働者の二十五歳の息子、進路に悩む二十歳の娘の四人家族です。趣味は読書と水泳です。不破哲三氏の本もよく読んでいます。

◎全力を尽くす決意


兵庫労連議長という看板は大きくて重たいと思いますが、労働組合の存在がますます重要になっているいま、いま躊躇すべきではないと引き受けました。労働組合運動が質・量ともに前進・発展するよう全力をつくす決意です。

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

憲法県政の会:「憲法改悪ノー、戦争法廃止」宣伝

右から2人目は成山兵庫労連議長

憲法が輝く兵庫県政をつくる会は九月二十三日、「憲法改悪ノー、戦争法廃止」「憲法を守り、生かす県政」を訴えて、神戸・元町の大丸前で宣伝しました。
同会代表幹事の田中耕太郎氏が司会。兵庫労連の成山太志議長、兵庫民医連の森浩司事務局員、日本共産党の金田峰生国会議員団兵庫事務所長、憲法県政の会の田中邦夫事務局次長が訴えました。
成山氏らは、「戦争法成立から一年。内戦状態の南スーダンへの自衛隊派遣で殺し、殺される可能性が高まっている。外国で血を流させていいのか」「未来を担う学生がバイトに追われ、学業との両立が大変。返済不要の給付型奨学金を国と県がつくるべき」「憲法にもとづく政治、国民の暮らしを応援するまともな政治をつくるために、野党と市民の共闘を前進させよう」とよびかけました。
若い女性や中年男性ら通行人が「こういう行動が大事ですね」「がんばってください」と戦争法廃止署名にサイン。ツイッターで知って見にきたという芦屋市の男性会社員は「先日、東京で大きな集会があったそうですね。憲法を変えてはいけません。何か行動しなくては」と話していました。
県政の会は、ひきつづき十一月二十四日、午後五時三十分から同じ場所で宣伝することにしています。

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

三田市議選:日本共産党3人全員当選

三田市議選は九月二十五日投開票で行われました。定数二十二に三十二人が立候補、投票率は四九・〇二%でした。

当選をよろこぶ(中央から右へ)長谷川、長尾、国永の各氏

日本共産党は、長尾あきのり(38)、長谷川よしき(65)、国永のり子(69)の各氏がそれぞれ十三、十五、十八位で全員当選し、前回選挙(二〇一二年)と同じ三議席を確保しました。
三氏は、安倍暴走政治ストップ、憲法九条守れと、悪政からの防波堤となることを訴えるとともに、市民アンケートに寄せられた切実な要求を基に、二人目からの保育料無料化、小児救急医療体制充実、国保税一世帯一万円引き下げ、高齢者バス・鉄道運賃助成増額、正規雇用促進助成金創設などを、その財源も示し、支持を訴えました。
こうした活動を通じ、「わたしらのような独り暮らしの女性にも気をかけてくれそう」「共産党ならやってくれそう」と、駅のエスカレーター設置など新たな住民要求も次々と寄せられました。
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日本共産党の得票合計は四千四百四十四票(前回四千四百十五票)、得票率九・七八%(前回一一・四四%)。今年七月の参院選比例選挙(得票五千百九票、得票率九・六三%)と比べると得票は八七%、得票率は〇・一五㌽増でした。

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

中小企業のまち民間サミット:尼崎で開催

地域振興で中小企業の営業と労働者の雇用を守っていくための交流を行う「第十回中小企業のまち民間サミットin尼崎」が九月二十四、二十五日に尼崎市リサーチ・インキュベーションセンターで開かれました。
川口、墨田、大田、岡谷、加賀、浜松、京都、大阪、東大阪、八尾、吹田などから業者、労組、議員など百七人が参加し、各地の草の根の運動を交流しました。今年八月に尼崎で行政と商工会議所が開催した中小企業都市サミットに呼応して開催されたものです。

あいさつする土谷尼崎民商会長

まず尼崎民主商工会の土谷洋男会長が「営業と雇用を守るためには地域循環型の経済が求められる」とあいさつ、大田区不況打開実行委員会の小林清代表が「アベノミクスが労働者、中小業者を苦しめている、このサミットで各地の経験を交流し、運動を広げていこう」と訴えました。
各地の報告では―
尼崎市「公契約条例をめざす会を結成し制定を求めてきた。そして九月議会に公共調達基本条例が提案されたが、賃金条項がなくさらに運動が必要となっている」
真庭市(岡山県)からは「自然環境を生かしながら、木を使いバイオマス発電で地域経済を活性化させ、林業、木材産業を守っている」
東大阪市「中小企業振興条例を制定させ、その後、業者、労組、研究者などで構成する産業政策会議を毎月開き、地域経済の域内循環の構築をめざしている」
大田区(東京都)「区に全工場調査、全産業調査を求め、並行して中小零細工場六十社を独自調査し、分析して政策提言をしている」
―と報告されました。その後、分散会で交流、最後にアピールを採択しました。
このサミットで稲村和美尼崎市長が歓迎あいさつを行いました。次回は二年後に川口市で開催の予定です。
(徳田みのる=尼崎市議)

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

奨学金問題と学費を考える会が3周年

「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」は九月二十五日、三周年のつどいと総会を神戸市内で開催しました。
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つどいでは、「兵庫の会」共同代表の辰巳祐規弁護士が開会あいさつをし、返済困難の相談受け交渉のなかで制度の矛盾や問題点を実感、若者の貧困化がすすむなか、憲法の平和原則と社会権を守ることが一体の方向になっていると述べました。
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関西学生アルバイトユニオンが「耐える強さを、変える力に」をテーマに報告。大学生への実態アンケートで「シフトを勝手に増やされる」「サービス残業」などと無権利状態にもかかわらず、生活のためにはやめられない実態のなか、「しんどさ自慢」を越え、社会を変えていこうとする思いをいかすユニオンを大学ごとにつくっていきたいと報告しました。
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「兵庫の会」の佐野修吉事務局長が活動報告。奨学金問題全国会議と連携しながら奨学金問題の相談、救済に取り組んできたことを報告しました。
電話相談の相談体制があるところが全国でも少ないため、「兵庫の会」は、沖縄や西日本一円から寄せられる電話相談に対応していること、県内外の大学などへの出前講座も行っているが、「高校生の時に聞きたかった」との感想も寄せられるなど聞き入ってくれ、運動に共感も広がっていることを明らかにしました。
佐野氏は、「給付制奨学金」へ大きな転機を迎えており、自治体でも独自の奨学金が創設されていることを紹介。高すぎる学費引き下げ・無償化も展望して運動を強めたい、そのためには手弁当の運動団体だけに財政的支援も含めて強化をと訴えました。
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講演する布施氏

ジャーナリストの布施祐仁さんが「奨学金と経済的徴兵制」をテーマに講演しました。
アメリカでは、アフガン・イラク戦争で志願者が減少、学費の他に住宅費も保証する制度にして貧困層を対象に勧誘が続けられていることを紹介。日本でも従来から自衛隊入隊者が求人の少ない県に偏っていたが、近年、奨学金返済・非正規化などのために大卒者の入隊が増加してきたこと、しかし安保法制の強行後、志願が急減したため、隊員確保へ企業と連携したインターンシップや防災を入り口に勧誘が強められていることを自衛隊資料も使い解明しました。
布施氏は、自衛隊が安保法制のもとで変貌し殺し殺される危険が現実のものになっている今、平和憲法を守ることと一体に憲法の保証する国民の諸権利を守るとりくみを強めることの重要性を強調しました。
その後、総会が開かれました。

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

青年たちが沖縄ツアー

緊迫する高江

九月十二日から十四日まで、民青同盟兵庫県委員会は沖縄ツアーを企画し四人が参加しました。

平和祈念資料館・師範学校健児の塔


初日はまず沖縄県平和祈念資料館へ。資料館は戦前の沖縄の歴史から始まり、沖縄戦の記録、戦後の米軍による占領下の実態と米軍基地問題について網羅的に資料が集められており、充実した学習施設となっています。
初めて沖縄に来たというKさんは「小学校の平和学習で沖縄について学んだことを思い出した。展示物に衝撃を受けた」と話します。また病院職員のOさんは「米軍基地があるが故に起きた事件・事故、それに対して立ち上がった沖縄県民の闘いとそれを踏みにじってきた日米両政府の歴史が展示されており、沖縄戦と同時に基地をめぐる歴史を他県の人が学べるのはすごく大切なことだと思った」と話します。

師範学校健児の塔裏手のガマ

「沖縄師範健児の塔」を訪れ、塔裏手のガマも見学。嘉手納飛行場を一望できる「道の駅かでな」で夕食。到着したのは二十一時でしたが、空輸機やレーダー探知機が離発着を繰り返していました。

美しい海とオバアたちの決意


二日目は、午前中はサンゴ礁のある備瀬崎で実際に海に潜りました。「すごく恵まれた自然と貴重な生態系があることも学べ、生態系保護の面からも基地を絶対に作らせてはならない」との思いを参加者は強くしました。

備瀬崎海中

午後からは、名護共同センターで担当者からこれまでのたたかいについて聞きました。政府の強引さに諦めムードがただよった時(二〇〇一年)、「オバアたち」が〝成人式〟をし、「基地反対の運動は、人間の尊厳を守る誇りある活動だ。自分たちは今日成人した。若者のようにこれから一生懸命基地反対の運動を広げよう。もし何かあったときは自分たちが海に入り人柱になってでもたたかう」と決意―それがいまの運動につながっているとの説明に、「そんな決意を、沖縄戦を生き延びたオバアたちがしなくちゃいけなかったのかと思うと、怒りと悲しさでとてもやるせなかった」とOさんは話します。
Aさんも「政府のやり方は、主権をないがしろにしている。これが一番の問題であると感じた。『沖縄のたたかい』とみるのではなく『日本のたたかい』として感じ、主権者・当事者として意識することが大事。このことについても、継承が大事だと感じました」と話しました。

オバアたちの成人式


緊迫する高江座り込みに参加


三日目は、連日緊張したたたかいになっている高江の座り込みに参加しました。
朝七時に現地に到着した時にはすでに機動隊がひしめき合っていました。機動隊の車両のナンバーを見ると、なにわナンバーなど全国から派遣されているのがわかります。これに対して座り込みは、N1ゲート裏に二百二十人、表に百人程度、計三百人規模で抗議を続けました。
参加したAさんは「集会時にみんなで歌うなど一致団結するぞという様子が印象に残りました。また、代表の方の非暴力の徹底の話もあり、優しさを感じると同時にしっかりと怒っているというのも感じた」と話し、Kさんは「『多くの若者にこの現状を伝えていってほしい』と地元の方に言われました。帰ったら伝えていきたい」と話します。
その後、那覇空港へ戻る途中、オスプレイの並ぶ普天間基地も見学しました。
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参加したメンバーは「今回の経験を私が誰かに伝えるとともに、その誰かが、また新たに体験したり、伝えたりとリレーのように、つなげていくことが、良い方向につながっていくのではと感じた」「報道されていないこの現実をたくさんの人に伝えたい」と口々に話し、現在報告会も準備中です。

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

高江現地支援行動に参加

“安倍独裁”の一端垣間見た

安保破棄兵庫県実行委員会 後藤浩

沖縄から戻ってからも実態を訴え宣伝を続ける後藤さん(9月24日、元町駅前)

沖縄ではヘリパッド建設をめぐって東村高江で安倍自公政権の暴走政治が吹き荒れています。まさに権力むき出し無法政治です。安保中央実行委員会が呼びかけた第二回高江「現地支援行動」に(九月十一日〜十三日)参加して実感してきました。まさに「百聞は一見に如かず」です。
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十一日は那覇と名護で現状報告、学習、意思統一。
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十二日、高江一日目の行動は、午前六時半名護出発で現地到着八時前。十一日には民間ヘリによる資材搬入を強行していたので、今日は砂利搬入があるとの説明がありました。
参議院選挙が終わった途端に建設行動を強行し、抗議テント(N1ゲート前)を車ともども撤去した後に一チーム九人の民間警備員が三十分交替で二十四時間警備。それに対峙して我々が監視・抗議行動を開始しました。
十時を過ぎた頃、東京、神奈川、千葉、福岡などから動員された機動隊員五十人ほど(我々の三倍)が号令一下、二列縦隊の壁を作って、抗議行動者を「危険ですから後ろに下がってください」と言いつつ県道の路肩白線まで問答無用で押しやりました。
そうして空いた広々とした道路を、パトカーや機動隊トラック七台に先導された砂利満載のダンプカーが十台次々とゲートを警備員に守られながら通過していきました。
ゲートの向こうでは沖縄防衛局職員が警備しています。
機動隊員五百名。宿泊は一泊二万円以上するリゾートホテル。民間警備員などの費用を加えると一日数千万円。これが全部税金です。安倍政権がこれほど力を集中するのは「基地をこれ以上造るな」「自然を守れ」「話し合いに応じよ」と非暴力の抗議を粘り強く進めてきたたたかいの積み重ねです。
「勝利するまで諦めない」沖縄のたたかいは県民の奮闘と併せて全国からの支援あってこそだと改めて確認できます。
このあと高江から辺野古へ移動しての激励行動で十二日は終了。
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十三日も朝六時半行動開始。この日は高江のたたかいで歴史に残ることがありました。かねてから取りざたされていた自衛隊のヘリコプターの投入がいきなり挙行されたのです。
これ以上の工事の遅れが許されないとの理由とは開いた口がふさがりません。
自衛隊ヘリ使用の法的根拠も示さず、トラックなどを吊り下げてヘリコプターは県道を何回も横切っていきました。人命を軽視する米軍の姿勢とダブります。
安倍独裁政治の一端を垣間見る思いでした。

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

山崎豊子『約束の海』

神戸の造船所が軍事政策に深くかかわる一端も描く

段野太一

兵庫多喜二・百合子の会の濱本鶴男氏から『約束の海』に、「神戸の造船所が書かれているよ」と聞き、読んでみることにした。
山崎豊子といえば、『白い巨塔』『華麗なる一族』『不毛地帯』『大地の子』『沈まぬ太陽』等々、その時代の社会問題に鋭く切り込み、医療や金融界、財界の闇を暴き、日本の戦争責任などを糾弾してきた日本を代表する作家である。
『約束の海』は第一部、第五章までを書き終えたところで逝去され、残念ながら未完のまま「絶筆」として出版された。「未完」に終わったとはいえ、第一部は完結している。
私は、第二部、第三部へと筆を進めようとしていた作者が、どんな思いでこの作品を書こうとしたのかを知りたくて、「執筆にあたって」というあとがきから読み始めた。そしておもいがけなく、「『約束の海』その後」として収載されている第二部、第三部のシノプシス(作品のあらがき)を目にすることになった。作品の創作過程を初めて垣間見て圧倒された。
本書は、真珠湾攻撃の際、米軍に捕らえられ日本の捕虜第一号になった実在の人物をヒントに、その息子を潜水艦勤務の海上自衛官と設定して、潜水艦と漁船の衝突事故をからませ物語を展開する。
この『約束の海』の中で、事故を起こした潜水艦が神戸の造船所で修理されることから、神戸は、主人公と美しいフルート奏者との恋の舞台として、三宮国際会館や六甲山が登場する。この潜水艦事故にまつわる記述の中で、三菱、川崎との名指しはないが、神戸造船所が日本の軍事政策に深くかかわっている一端が描かれている。
この小説の全体構想は、第一部・潜水艦「くにしお」編、第二部・ハワイ編、第三部・千年の海編の三部作とされていた。著者は、この後、第二部の中で、実在の人物であった主人公の父親を登場させ、日本の戦争責任を追及し、第三部で尖閣諸島問題などから自衛隊のあり方に迫ろうとしていた。いわば壮大なシンフォニーが、その序章だけで終わったことは残念でならない。
(兵庫県日本共産党文化後援会)


山崎豊子『約束の海』(新潮社刊)
 単行本二〇一四年二月
 新潮文庫二〇一六年八月
 『山崎豊子全集[第二期]』第四巻二〇一四年十二月

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

俳句:新俳句人連盟兵庫支部

ぶらぶらと小屋根の糸瓜退職金
好子

コスモスの花に包まれ原子の火
邦子

きび嵐森を引き裂くヘリパット
俊子

赤のまま股覗きして老後見る
まさこ

風渡る夏の名残りのロープウェー
山明

奥会津竹串長き衣被
由美子

ホトホトと息をしている暑さかな
まり子

来るたびに背丈の伸びる夏休み
蒲池

父自慢の懐中時計夜業の灯
のり子

ゆで卵亀甲窓の喫茶店
ふみ子

薄紅の雲海の果て小さく富士
れい子

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっこりん〈583〉



(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

八月二十六日に開かれた借り上げ住宅協議会の「入居者激励と交流のつどい」で記念講演された兵庫県弁護士会・森川弁護士の話が多くの入居者に共感と感動を与えている。氏は講演の中で「大震災から二十年以上が経過した今日、入居者の状況はより一層継続入居の必要性が強まっている」と強調し、その根拠として高齢化による健康不安、地域コミュニティへの依存、転居への心理的・財政的負担などあげた▼また、森川弁護士は、「南海トラフなどの大災害が発生した場合、すべて恒久住宅で対応することは不可能であり、借り上げ住宅に頼らざるを得ない。訴訟して追い出そうとするのは借り上げ住宅制度への信頼を損ねるものとなる。継続入居を基本として居住者との協議を行うべきだ」と述べ参加者を励ました▼ところで、先般、県の「判定委員会」(医師、弁護士などで構成)が継続入居の基準を満たさない入居世帯(申請七十のうち六十九世帯)に対して継続入居を認めるとの判定を下したが、これは入居者の健康状態等を忖そん度たくし、専門家の目で確認、判定したものだ▼神戸地裁での口頭弁論も傍聴席が常に満席となるため大法廷で開かれるようになった。先日の裁判では、裁判長が「キャナルタウン住宅は、期限の三年前までに申請すれば五年間入居延長できる契約になっているがいつ申請したのか」と原告(神戸市)側にただしたが市側は即答不能であった。 (D)

(2016年10月2日付「兵庫民報」掲載)

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