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8月 7, 2016の投稿を表示しています

生活保護めぐる2つの裁判勝利へ運動大きく

生活保護基準引き下げ取り消し裁判

生活保護基準の引き下げは憲法二五条(生存権保障)に違反するとして訴えた裁判、第四回期日の七月二十七日、神戸地裁で原告の口頭弁論が行われました。

兵庫県内の生活と健康を守る会の会員十八人が兵庫生存権裁判(基準引き下げ)原告団を結成して提訴。先に提訴していた六人といっしょに裁判が行われることとなりました。

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同原告団にとって最初の裁判となった同日、北風正三団長が意見陳述を行いました。

北風氏は、中卒で働きはじめ、三十代半ばで下請け水道工事業者として独立して以来、七十歳まで働きつづけたものの、生活はぎりぎりで国民年金もかけられず、若いころの厚生年金も十年分だけで、年金は一時金約十三万円しかなかったこと、七十歳で後腹膜炎で仕事をやめざるを得なくなったことなど、生活保護を受けることになった経緯や生活の実態を説明し、「最低生活費だといいながら、毎年切り下げるのはなぜ?」「食料品も消費税で便乗値上げされ一番苦労している」「今の弱い者いじめをだまっている訳にはいかない」と述べ、「生活保護基準を三年前に戻してください」と訴えました。

また、傍聴席の定員の倍以上の支援者もかけつけました。

老齢加算廃止取り消し裁判
七十歳以上の生活保護老齢加算廃止を憲法二五条違反だとして訴えた兵庫生存権裁判(老齢加算廃止)の最高裁要請へ向けての中央キャラバン出発集会が七月二十七日、神戸市医師会館市民ホールで行われました。

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この裁判は全国各地でたたかわれてきましたが、いずれも原告敗訴の判決が確定。最後となった兵庫の九人に対しても昨年十二月二十五日、大阪高裁が原告の控訴を棄却しましたが、同判決では、①老齢加算廃止による健康影響を考慮しなければ廃止が違法となる余地がある②厚生労働大臣の裁量権の範囲の逸脱や濫用を判断する上でドイツ連邦憲法裁判所の判断が参考になる③社会権規約の内容として「制度後退禁止」を規定していると解釈し、社会保障制度の後退である老齢加算廃止が法や憲法に違反することになる余地がある―ことを認めています。

原告・弁護団は、これらの判断は、国際人権法の観点から、今後、政府の裁量に一定の歯止めをかけるみちを開くものと評価し、これらの論点について新たな審理と判断を求めなければならないとして、最高裁に上告しています。

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出発集会では、藤原精吾弁護団長が、日本…

中央区革新懇が総会と文化の夕べ

地域要求取り上げた運動から憲法守る運動まで

中央区革新懇は七月二十二日、「第二十七回総会と文化の夕べ」を開き四十人が参加しました。

総会では武村義人代表世話人は「参議院選挙では報道があまりにもひどかった。さらに介護保険や医療費窓口負担増など悪政が報道されていない。草の根の運動が非常に大事です。革新懇運動を広げよう」と開会あいさつ。宮田静則兵庫革新懇事務局長は「憲法九条守れの署名行動、地域要求を取り上げた活動など中央区革新懇の活動には頭が下がる思いです。参議院選での野党共闘を今度は衆議院選でも実現し政治を変えよう」とあいさつしました。

漁島国弘事務局長が「地域要求を取り上げた駅舎や陸橋のバリアフリー化を求める運動で神戸市や鉄道会社に要請を行ない花隈駅のバリアフリー化が実現。『憲法改悪反対。九条守れ』の行動は連続百五十二回にも達し、憲法を守る輪が大きく広がっている」と一年間の活動を報告しました。

フロアからも「阪急春日野道駅のエレベータの設置、バリアフリー化を求める運動」「元町高架下通商店街を守る運動」「二千万署名目標達成の報告」など発言がありました。(大前まさひろ=神戸市議)

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

長田区革新懇が初めての学習会

元隊員の井上土浦市議から自衛隊の実情を聞く

長田区革新懇は、二〇一五年十一月に結成して初めての学習会を七月三十日に開催しました。

テーマはいま注目の「自衛隊」について。元自衛隊員で現在、日本共産党茨城県土浦市議の井上圭一氏が話をしました。

井上氏は、自衛隊退職後、自民党を応援していたが、日本共産党の笠井亮衆院議員の話を聞き「まともなことだ」と思い入党したことなど自己紹介した後、南スーダンPKO、北朝鮮、沖縄米軍基地などの問題について語りました。

参加者からは次々と質問が出されました。「盆踊りに自衛隊がきて、子どもたちに装備を見せたり遊ばせたりする計画があるが、どう対処すればいいか」と差し迫った問いなどに井上氏は一つひとつ答えていました。

(池田守夫=同革新懇事務局長)


(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

東灘憲法共同センターが総会:新情勢下での運動強化へ

憲法改悪STOP!東灘区憲法を守り、活かす共同センター(東灘憲法共同センター)は七月三十一日、第二回総会・記念講演会を開催しました。

第一部の総会では、藤末衛代表(神戸健康共和会理事長)ら主要役員を再選・補強し、改憲勢力が国会で三分の二以上の議席を占めた情勢下での戦争法廃止、立憲主義回復に向けての護憲運動強化など、新年度方針を決定しました。

第二部では、二宮厚美・神戸大学名誉教授が「参院選後の新たな情勢と憲法運動の展望」と題して記念講演。今後の予想される情勢と運動上の課題として、①野党共闘、市民連合型の運動の中で自公維三派の反動的改憲との対決②安倍政権、公明、維新に対し、それぞれ正攻法で対応③若者、ママの会など希望の持てる運動との連携④市民と野党共闘の体制が東京都知事選でも維持されたことの意義を重視―などを提起。特に、おおさか維新への批判を強めることを強調しました。

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

第49回借り上げ住宅協議会

裁判支援・署名・集会など継続入居へ運動強めよう 

ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会は七月二十八日、神戸市内で第四十九回の「協議会」を開き、神戸市内各区や西宮市の入居者と支援者らが参加しました。

「協議会」では、強制退去方針の撤回と継続入居を求める議会への請願や陳情の内容と審議内容、神戸市がおこした二つの裁判の経過、各地の署名や要請行動などを交流しました。「西宮市では九十三歳の方も追い出し対象。行政のやることとは、とても思えない」「兵庫県弁護士会が二回目の意見書をだしてくれた。大きな励みになる」などの声もだされました。

協議会では、傍聴の組織など裁判支援、継続入居を求める署名活動などを強めるとともに、毎月開催してきた「協議会」の第五十回にあたる八月二十六日は、神戸市勤労会館多目的室で午後一時半から開くことなどを確認。「裁判勝利、継続入居実現へ世論と運動を大きく広げる機会にしたい」としています。


(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅:判定委員会の公平性・中立性損なう運営

兵庫県の借り上げ復興住宅への継続入居の可否を判定する第三者委員会の議事録が開示され、借上復興住宅弁護団と入居者が七月二十九日、記者会見し、同委員会の公平性・中立性の問題点を指摘しました。

吉田維一弁護団事務局長は、退去をめぐって住民と対立している側である県の職員が判定委員会に事務局として出席し、継続入居を不可とする案を示した上で積極的に発言し議論を主導しているようすが議事録に記されていることを示し、事務局の影響を受けない場を設け、慎重に議論すべきだと主張しました。

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅:世界人権宣言・社会権規約にも反する明け渡し請求

神戸市が、借り上げ復興市営住宅のキャナルタウンウエストの入居者に住宅明け渡しを求めた訴訟のうち、吉山隆生さんをめぐる裁判の第三回弁論が神戸地裁で行われました。

入居者側からは、借上住宅弁護団の佐伯雄三団長が陳述し、世界人権宣言二五条一項が、十分な生活水準を享有する権利と生活保障を受ける権利を規定し、社会権規約一一条も、住居に関し相当な生活水準の権利を認めていることをあげ、改正公営住宅法二五条二項が定める事前通知の解釈でも「居住継続の法的保障」の趣旨が反映されるべきだと指摘し、強制退去のためには入居時点で明け渡し期限が通知されていることが必要不可欠だと主張しました。


(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

住民・職員・議員・研究者ら集う:神戸で自治体学校

「憲法・地方自治・民主主義で地域・自治体に輝きを」をテーマに、第五十八回自治体学校が七月三十日から八月一日まで神戸市内で開かれ、住民・職員・議員・研究者ら全国の自治体関係者が集いました。

一日目の全体会では、加茂利男大阪市立大学名誉教授が記念講演しました。加茂氏は、不安と混迷の時代にあっても、一枚めくると希望の手がかりも見えてくるのではないかと指摘。安倍暴走政治を止めようとする動きの広がり、内発的発展に努力している自治体のとりくみなどを紹介し、「地域の再生、自治と、平和で民主的な対話の政治を、点から線、面に広げ、つないでいく政策や運動を追求しよう」と呼びかけました。


沖縄県から迎えた三氏をパネラーに、「辺野古への新基地建設をめぐって争う国と沖縄県──憲法・地方自治から見ると、何が見えてくるのか」をテーマにパネルディスカッションをおこないました。

二日目は、社会保障、脱原発、大震災、地域経済、「地方創生」などをテーマにした分科会で学びあいました。最終日は、西堀喜久夫愛知大学教授が「自然災害からの復興と地域連携――防災政策から事前復興政策へ」と題して特別講演をおこないました。

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

小牧弁護士が今日的意義を説く:レッド・パージ懇談会

戦前・戦後の社会問うたたかい
兵庫県レッド・パージ反対懇談会が七月二十九日、神戸市内で開かれました。

この懇談会は毎月最終金曜に但馬や京都、大阪からの参加者も迎え開催されています。

この日は、レッド・パージの被害者の大橋豊氏、川崎義啓氏、安原清次郎氏が国に謝罪と名誉回復を求めた国家賠償訴訟について、最高裁が六月二十二日、その第三次再審請求を棄却したことを受け、今後のたたかいをさらにすすめるため、小牧英夫弁護士が、「レッド・パージ被害者の名誉回復と救済を求める今日的意義」について講演し、交流・懇談しました。

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小牧弁護士は、レッド・パージが共産党員・同調者であることを理由にした免職・解雇であり、①法の下の平等や思想・良心の自由、集会・結社の自由など憲法の根幹的規定を否定し、②ポツダム宣言にも違反、さらに③労働者の差別的取り扱いを禁止した労働基準法にも違反していることをあげ、レッド・パージの違憲・違法性を問う法的根拠を明らかにしました。

加えて、①占領下マッカーサーの示唆で政府が主導して行ったもので占領軍にも政府にも責任があること、②最高裁長官など司法権も一体に動いたこと、③被害者が数万人と膨大であること、④社会から追放される実態は深刻であること―に留意する必要があると指摘しました。

「従って、レッド・パージ被害者の名誉回復と救済は法的正義に合致している」と述べ、レッド・パージを適法とした最高裁決定は憲法、国際人権規約に違反しており、関西電力人権裁判、在外国民投票権裁判の最高裁判例からも名誉回復・救済の必要性は明白だと強調しました。

さらに、このたたかいが、憲法を無視した安倍暴走政権の改憲策動を許さないたたかいと一体であることも指摘。レッド・パージの責任を問うことは、戦前の社会への反省をすすめ、まだ明確になっていない戦前政府の国民への戦争責任、治安維持法・特高警察・思想検事・裁判官の責任の明確化、戦後の司法反動化の解明と不可欠なものだと解明しました。

最後に、「高齢になったレッド・パージ被害者が生きているうちに名誉回復を行うことは急務」だとし、被害者を包む広範な国民的運動を呼びかけました。

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その後、大橋、川崎、安原三氏の近況や、当時の大橋氏らのたたかいの記述が労組記録誌に掲載されていたことも紹介されました。

また、当面、国家賠償を求める署名運動などをすすめるこ…

加東市平和行進2年目:「来年は多くの人で」と目標も

今年も七月十五日、加東市内を平和行進しました。

旧滝野町役場へ八時三十分に集合し、九時に出発。一路、加東市役所の「非核宣言都市」標柱をめざして歩きました。距離にして五・五キロメートル、十分の休憩を入れて約二時間の行進です。

今年も事前に要請書を加東市長と市議会議長あてに提出していましたが、結果は、残念ながら昨年同様の「何もできない」と言う返事でした。

今回は参加者が少なく「来年はもっと多くの方に来てもらおう」と言う目標ができました。

これからも加東市内の一部ですが歩くことを通して「なくそう核兵器」と「被爆者の願い」を表し、行進を続けます。

(岸本高志=加東市在住)


(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2016-07-21

被爆の事実から逃げようとしつつ、原爆で死ぬとの思いとたたかって
副島圀義
七月二十一日は大阪地裁、二十二日は同高裁と二日続きました。

二十一日は原告の苑田朔爾さん(神戸市在住)の、二十二日には原告代理人・豊島達哉弁護士の、それぞれ意見陳述がありました。

いっぽう、国側は両日とも十五、六人もの訟務官が席を埋めながら、誰ひとり口を開かず、書面・書証を出すだけです(これは裁判の公開原則=憲法八十二条=を無視する態度ではないでしょうか?また、国民が国を訴える時は自己負担ですが、国は、原告をも含む国民の税金で裁判。おかしなことです)。

苑田さんの意見陳述

当時三歳十一カ月。長崎・爆心地から南へ四キロメートルの自宅で被爆。六日後、祖父が迎えにきてくれて、爆心地近くを通って峠越えして祖父宅へ疎開。途中、爆心地直近の川で水浴びをした。祖父宅で下痢したことを憶えている。

翌年、父の戦死公報が届く。被爆までは「元気過ぎて手に負えない」と言われていたが、小学校一年の時は首が曲がっている(後に頚椎症)、二年では肋膜炎、六年では微熱が続き一か月養生、中学二年で急性腎炎・一年間休学。疲れやすい、気管支が弱い、吐き気を催す…。虚弱体質がついてまわっている。

中学、高校の頃、旧友が原爆症に倒れ、席が突然空く体験を四度。過敏になり、原爆のことは聞きたくも考えたくもなかった。被爆の事実から逃げ回っていながら、「自分も原爆症で死ぬのか、三十歳まで生きられるのか」とばかり思っていた。

しかし、ベトナムでアメリカ軍が撒いた枯葉剤による惨状などを知る中で、次第に被爆の事実とも向き合うようになった。

四年前、ついに前立腺がんで全摘手術を受けたことで「体の不調と被爆体験とは無関係ではない。被爆が原因でがんになったことをはっきりさせたい」と原爆症認定申請に踏み切った。

できることなら生まれ変わって、三歳十一カ月からもう一度生き直してみたい。



翌日・高裁での意見陳述で紹介された次のことは、特に印象的でした。

―東京地裁での全員勝訴判決では、「現在も放射線が人の健康に及ぼす危険については十分に解明されていない」と、福島事故被災者生活支援法第一条を引いて、機械的一律的「線引き」を厳しく戒めた―

「原爆と原発、根は同じ」ということを、裁判所も確認しているのです。


(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

中国現代史研究会:日中友好協会加古川支部

いよいよ「中華人民共和国期」へ
日中友好協会加古川支部の「中国現代史研究会」第十一回を七月二十三日、東播磨生活創造センターで開催し、十人が参加しました。

「中国現代史研究会」は岩波新書の「シリーズ中国近現代史」をテキストに、報告者による要約報告と問題提起のあと、参加者による自由討論で学習しています。

今回で第四分冊『社会主義への挑戦』に入りました。

今回の学習と討論は、著書の「はじめに」と全章を概観し、第一章の中国の戦後復興の希望と混こん沌とん、国民党・共産党それぞれの戦後構想、国民政府下での経済破綻について学びました。

討論では、「中国は『社会主義国』だと常識のように思われているが、一九四五年の時点で社会主義をめざしていたわけではない」「人民共和国政府成立時も新民主主義だった」「毛沢東自身も『社会主義は遠い将来』だとしていた」「その中国が一九五二年~五四年にかけなぜ社会主義への道を選択していくのか?」が議論になりました。

次回は第一章の後半を八月六日に開催します。(前田清=同支部)


(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

東アジア「友好・協力条約」制定を:首脳会議に署名提出

兵庫AALAからも代表派遣すまらおさん
九月二十三、二十四日にラオスで開催が予定されている東アジア首脳会議にあわせ日本AALAがよびかけているラオスツアーに、兵庫県から大学一年生のすまらおさん(ニックネーム)が代表参加を予定しています。

このツアーは、東アジアに東南アジア型「友好・協力条約」の制定を求め日本AALAが取り組んでいる国際署名を集め、東アジア首脳会議に提出しようと計画されたもの。兵庫県AALAがすまらおさんの代表派遣を決めました。

すまらおさんは、「ASEANから始まった平和のリングを日本へ北東アジアへ世界へと広げていきたい」と抱負を話しています。

代表派遣に先立ち、兵庫県AALAと民青兵庫県委員会が主催し、事前学習会「ASEANから学ぶ平和のつくり方」を開催します。

学習会:ASEANから学ぶ平和のつくり方/8月17日(水)19時~21時/神戸市勤労会館:会議室404/講師:太田和宏(神戸大学准教授)/主催:兵庫県AALA連帯委員会・民青同盟兵庫県委員会/mhyougo@gmail.com

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

神戸映サ8月例会:『野火』

アジア太平洋戦争末期のフィリピン、レイテ島。生還率が三%といわれる地獄の戦場です。

映画は日本軍の抵抗がほぼ壊滅した後、米軍との戦いは虐殺のような一方的な戦闘シーンがわずかにあるだけで、あとは熱帯の原野をさまよう敗残兵たちの姿、生死の極限に追い詰められた人間が映し出されます。
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一九六〇年生まれの塚本晋也監督は、高校時代に大岡昇平の小説『野火』を読み、衝撃を受けます。映画化の企画は二十年ほど前から出し続けます。

そして戦後七十年間近の日本を見て「今、実際に戦争の痛みを知る人がいよいよ少なくなるにつれ、また戦争をしようとする動きが起こっているような気がしてなりません。今作らなければもうこの先作るチャンスはないかもしれない」と思い、私財を投じて完成させました。

昨年公開された『野火』は、キネマ旬報ベスト・テン二位に選ばれ、この夏には各地の映画館でアンコール上映されています。
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例会では二十日十五時十五分から京都歴史教育者協議会副会長の家長知史さんによる講演「アジア太平洋戦争と『野火』」も行います。
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青い空、流れる白い雲、真っ赤な夕焼け、緑の木々。生命力漲みなぎる自然の下、戦争を始めた時の大義名分はいつの間にか消え去り、見捨てられた兵士たち。ヒーローなんて現れないし、センチメンタリズムもありません。戦争の痛みを直視し、語り継ぐ責務が私たちにはあります。
(木村百合)

神戸映画サークル協議会8月例会 2014年日本映画、87分、原作=大岡昇平、製作・監督・脚本・出演=塚本晋也、出演=リリー・フランキー、中村達也ほか/8月19日(金)①11時②13時30分③16時④19時/20日(土)①11時②13時30分☆講演15時15分~16時15分③16時30分④18時30分/神戸朝日ホール/一般当日1,700円(前売1,300円)、シニア・障がい者・大学生以下1,300円/☎078‐371‐8550、URL http://kobe-eisa.com/

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

俳句:新俳句人連盟兵庫支部

蟬とぎれ・とぎれ真昼のあばら骨
邦子

夏つばめいずれも健康優良児
冬木

七月や昭和の星が二つ消ゆ
好子

憲法九条日ごとに太る青棗
俊子

ラムネ瓶忘れられてる無人駅
細流

大橋を目の前にして心太
由美子

成功の野党共闘蟬時雨
山明

今年竹孫の思春期はじまりぬ
くに枝

被爆樹に玉虫抱だかれる真昼
淳一

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん〈579〉

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

先日、テレビで『暮しの手帖』にまつわる花森安治氏の逸話が報道されていた時、妻が「お父さんこれ……」と言って本棚から古い雑誌を取り出してきた。見るとこれが『暮しの手帖』第九十六号「特集・戦争中の暮しの記録」であった▼この雑誌は、妻が、職場の先輩に勧められて買っていたもので、ずっと大事に保存してあった。改めて読み返してみると確かにすごい。戦争を体験した市井の人びとの声がこれほど豊富に、そのまま掲載された雑誌を私は見たことがない。この雑誌が発行されたのは一九六八年、すでに戦後二十三年を経ているとはいえ、様々な抵抗があったのではないかと推察される▼それでも勇気をもって国民を戦争に巻き込んだ為政者に対する怒りを「生の証言」として記録し、「できることなら、君もまた、君の後に生まれる者のために、そのまた後に生まれる者のために、この一冊を、たとえどんなにぼろぼろになっても、のこしておいてほしい。これが、この戦争を生きてきた者の一人としての、切なる願いである」とした編集者の思いは、伝承しなければならないと思う▼この雑誌は百十六万部の大ベストセラーになったが、あれからさらに五十年、今日、この雑誌がはたしてどれだけ残されているかわからない。しかし、たとえこの雑誌が残されていなくても、あなたの両親や祖父母、まわりの誰かの中に戦争の実態と愚かさを知る人たちはまだたくさん存在している。安倍政治の戦争への道を阻止するため、一人一人が知恵を絞って反撃しよう。 (D)

(2016年8月7日付「兵庫民報」掲載)