記事を検索

2016年6月26日日曜日

沖縄県民大会にも連帯:戦争法廃止! 立憲主義とりもどそう:総がかり行動の19日宣伝など各地で

憲法違反の安保法制=戦争法の成立から九カ月の六月十九日、県下各地で「戦争法廃止! 立憲主義を取り戻そう」との宣伝などが取り組まれました。

特に今回は、同日、沖縄県那覇市で開かれた「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、海兵隊撤退を求める県民大会」への連帯としても取り組まれました。

憲法共同センターの大丸前での宣伝
大丸玄関ではママの会がサイレントスタンディング

神戸元町・大丸前では兵庫県憲法共同センターが時折激しさを増す雨にも負けず横断幕・プラカードなどを掲げ、買い物客らに訴えました。

明石駅前での宣伝

明石駅前では平和憲法を守れ総行動・明石の宣伝に七十人が参加。十八歳のとび職の男性が「おばちゃんらが頑張ってるのに」と応じるなど若者も次々署名しました。

姫路駅前でに「平和がいいね! 選挙に行こう」

JR姫路駅前北にぎわい交流広場では、午前十時から午後四時まで「平和がいいね! 選挙に行こう」のイベントが行われました。

JR西宮駅前での署名宣伝

JR西宮駅前では平和と民主主義をすすめる西宮・芦屋の会が署名宣伝を行いました。


安保関連法に反対するママと有志の会@兵庫は十九日、「元米海兵隊員による事件へのサイレントアピール」を神戸元町の大丸前とJR元町駅頭で行いました。「被害者は私だったかもしれない」「でも、絶望もしない」「NO‼ BASE(基地)‼」「オキナワの声なき声」などのプラカードを掲げ沖縄への想いを市民にアピールしました。

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党へかつてない期待

あちこちで入党や民青同盟加盟も


野党と市民の共闘を広げる日本共産党に県内でもかつてない期待が寄せられています。

▽宝塚では、「学生時代、京都で民青や共産党と対立していた」という六十代の男性から、「今は野党共闘をすすめる共産党を応援する。頑張ってや」との声が寄せられています。

▽三田では、自民党支持者からも「いまの安倍政権は横暴すぎる。蜂の一刺しが必要」との声があがっています。

▽神戸市内の党事務所に「これまで政治に関心がなかったが、安倍政権がムチャクチャやっているのに危機感を感じ、ネットで調べたら共産党は日本の宝だとわかった。頑張ってほしい」(神戸・七十代男性)と激励の電話が入りました。

▽ほかにも「安倍政権は怖い。このままいけば日本はどうなるかわからん。やめさせなあかん」「野党共闘の広がりがすごい」「舛添問題で政党助成金問題まで突っ込んで告発する共産党はさすが」などの声があがっています。

*

▽青年が街頭でシールアンケートを行うと、「教育は未来への投資。学費は他人事じゃない」「最低賃金を上げたら仕事を選べて、ブラックバイトも辞められる」「共産党は揺るぎないからいい!」との声も寄せられます。

また、十二日の志位委員長の街頭演説を聞いた青年が相次ぎ共産党に入党、民青同盟に加盟しています。

▽ビラをみて聞きに来た高校生は「野党共闘をリードする共産党はすごい」「ブレないのがいい」といいます。インターネットで小池書記局長の演説会を知って参加。そこでビラをみて「志位さんも来るのか!」と楽しみにしてきたそうです。中学生の時に安倍政権ができ改憲の動きが活発化する中で危機感をもち、昨年来、戦争法反対の集会やシールズのデモに参加。先日、民青同盟に加盟しました。

▽街頭演説を聞いた二十代の女性も「共産党しかない」という思いで入党しています。

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

Peace Life Café:ひとりひとりの選挙

森本市議(正面)と選挙について学ぶ青年たち

六月十九日に開かれた第六回Peace Life Caféのテーマは「ひとりひとりの選挙」。神戸市長田区の喫茶若草物語で、青年たちが、カレーとお茶・コーヒーを楽しみながら、森本真神戸市会議員を講師に語り合いました。

*
森本議員は、SEALDsが出しているパンフなどを使って、衆議院・参議院の仕組みや選挙について、生徒会長を選ぶときなど身近な例もあげながら、わかりやすく説明しました。

また、若い世代よりも高齢者のほうが投票率は高いが、子や孫のことなどみんなが幸せになるように考えて投票しているから、高齢者向けの政策ばかり優先されるわけではないとし、世代間の対立に結び付ける問題ではないと指摘しました。

*
青年たちからは、「選挙になるとどの党も良いことばかりしか言わなくて判断が難しい」「ネットの情報など散乱している中で、正しい情報をどうやって判断したら良いのか」「政治に対する思いを伝えて、みんなに投票にいってもらうにはどうしたらいいか」などの質問も出され、話し合いました。

議論の中で、「正義やお金など、何を原点にするかでどこに投票するかも変わる」「世代ごとに問題はあっても、色んな人と対話することで自分の政治に対する考え方も深まると思った」「今の政治の矛盾も聞けて、次の選挙の参考にしたい」などたくさんの思いが出され、自分の周りから政治や社会の問題について対話や議論を広げていくことの大事さが参加者に共有されました。

*
Peace Life Caféは、民青同盟兵庫長田北地区と日本共産党兵庫長田北地区が、戦争法反対のたたかいで多くの青年が立ち上がっているなか、学んで交流できる場をつくろうと実行委員会を結成し、昨年十一月から開催しているものです。

今回の企画にあたっては常盤大学の最寄り駅でチラシの配布なども行いました。十八歳選挙権も始まり、今後も積極的に宣伝もしながら企画をしていきたいと思っています。
(橋本銀河)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

18歳選挙権:神戸学院大学で国民救援会の濱嶋氏が講演

神戸学院大学法学部が「ついにはじまる18歳選挙権」をテーマに学生、教職員、一般市民を対象にした講演会を六月十六日、同大学ポートアイランドキャンパスで開催しました。

「選挙は主権者国民が政治の進路を決める大切な機会。言論の自由がなければ選挙ではありません。ところが日本の公職選挙法は、《べからず選挙法》と呼ばれるほどメールやビラ、演説会など言論活動を細かく規制。そこには耳を疑う規制の実態がある一方、自由化を求める知られざる市民運動の歴史があります。憲法と国際人権法を羅針盤に活動する人権NGOの経験から、公選法のもとでもできる活動のノウハウと選挙運動自由化の展望を語ります」(主催者の案内文)として国民救援会兵庫県本部事務局次長の濱嶋隆昌氏が九十分間にわたり講演しました。講演にこめた思いを濱嶋氏に書いていただきました。


どうなる?ではなく、どうする?と考えてみよう


濱嶋隆昌

聴衆は、ほとんどは政治活動に参加したことがないであろう約八十人の学生たち。聴講者に満足してもらえたか不安ですが、お話をかいつまんで紹介します。


ナチスに抵抗した牧師―マルティン・ニーメラーは「初め、共産主義者や社会主義者が弾圧されたとき、私は不安だったが何もしなかった。やがて、学生や新聞が、そしてついに教会が弾圧されたときに抵抗したが、あまりにも遅かった」と語っている、この人は抵抗したのだからすごい。でも、もう遅かった。戦争はある日突然くるのではない。今の日本は大丈夫だろうか。

かつて八坂スミさんという女性が九十一歳のとき、こんなうたを詠みました。

這うことも/できなくなったが/手にはまだ/平和を守る/一票がある

十八歳も九十一歳も、同じ一票を持っている。私たちみんなに一票です。ただし、みんな一票だけ。どんな有名人でも、どんな大金持ちでも一票。全員対等です。

最近、格差社会と言われます。不平等な仕組みのなかでほんの一%の人がトクをして、残り九九%の人がソンをしていると言われます。でも、もしみんな一票ずつだとしたら、今の仕組みでソンをしている人は圧倒的に多数派かもしれません。自分や家族、あなたの将来の家族を思うと、選挙に行く価値はあるのでは? 少なくとも人任せにできる? このままだったら〈次の十年はどうなるの?〉ではなく、〈次の十年をどうするの?〉これが、私たちに問われていることです。

確かに選挙法は歴史的に多数派の意見を反映しにくい仕組みになっています。それでもSNSを使った選挙運動などはできます。

そして肝心なのは、社会の運営に参加し、意見を表明する権利は十八歳以下にもあるということです(児童の権利条約)。十七と十八の違いは投票する権利があるかないかです。投票のことだけでなく、若い世代が社会の構成員の一人として、広く政治のことを考え、行動してくれたら。それがNGOの現場からの若い世代へのメッセージです。

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

選挙期間中の選挙報道について

「兵庫民報」は、各民報社発行の近隣府県の「民報」とは異なり政党の発行物であるため、公職選挙法の規定により、選挙期間中は当該選挙の報道ができません。ご理解いただければ幸いです。(編集部)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ住宅の真実:Q&A [1]

Q: 20年の期限があんねんてな……
A: 入居契約に書いてないし、説明もありませんでした
借上復興住宅弁護団 吉田維一

Y:皆さん、こんにちは。私は借上復興住宅弁護団の吉田維一と言います。借り上げ復興住宅の入居者のみなさんが置かれている状況を広く知っていただきたいと思い、街頭での宣伝で対話形式の解説を試みてみました。今回、「兵庫民報」編集部からのお誘いもありましたので、四回連載(予定)でお話をさせていただきます。清田さん、よろしくお願いします。

K:皆さん、こんにちは。私は弁護団の清田美夏と言います。どうぞよろしくお願いいたします。

*
K:吉田先生、私、弁護団で活動をしていて、借り上げ復興住宅問題でよく聞かれる「四つの質問」っていうのがあるんですよ。

Y:どんなことですか?

K:多いのは「テレビや新聞で見たわ。あれ、二十年の期限があんねんてな。かわいそうやな」という感想を言う方々ですかね。

Y:そうですか。借り上げ復興住宅というのは、家主と入居者といった普通の「賃貸」契約と違って、家主と自治体との契約と、自治体と入居者との契約の二つの契約からできているんですね。テレビや新聞で「二十年の期限」というのは、あくまで、家主と自治体との契約のことなんです。

K:家主と自治体との契約のことを「借り上げ契約」っていうんですよね。

Y:そのとおりです。この借り上げ契約の期限は二十年となっているんですが、自治体と入居者との契約…

K:自治体と入居者との契約のことを「入居契約」って言います。

Y:……今日は、いつにも増して張り切ってますね。

K:もちろんです。吉田先生が頑張りましょうって言ったんじゃないですか。次に行きましょう~。

Y:その入居契約には……

K:その入居契約には…?

Y:二十年で出ていってもらう、ということは書かれていないんです。

K:そうなんですね。シティハイツ西宮北口の皆さんもですか?

期限の記されていない入居許可書など示す
シティハイツ西宮北口の中下節子さん(右)

Y:はい。入居契約書にも、入居契約をする際の説明会でも、二十年後に出ていってもらうということは説明されていません。

K:説明されていなかったのに、西宮市からは出ていってもらうと言われているのですね。

Y:はい。それに弁護団が交渉している中で分かったのですが、家主であるURは、「西宮市の対応に合わせます。」と言っていて、何が何でも返さなくてはいけない、というわけでもないんです。

(続く)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

市民にあたたかい神戸市政に〈21〉:神戸市地域公共交通活性化協議会を傍聴して(2)

市民のための交通網計画に


公共交通神戸電鉄粟生線/沿線住民の足を守る会 松本勝雄

(前号の続き)
②市民のための公共交通を作る上で、神戸市は「採算が成り立つことが前提」「運行の判断は事業者が行う」としてきた方針を転換し、住民に必要な公共交通には「『社会資本』として公費を」(喜多秀行神戸大学教授)投入することを目的で明確にするべきです。

③公共交通整備を進めるための基本的な方向性を明確にすることが必要です。

公共交通は人と環境にやさしいものを最優先にする。公共交通のなかでもLRT(次世代型路面電車)を含む鉄軌道が大量性や定時制、信頼性、二酸化炭素排出、省エネなどでも優れていることを考慮に入れ、「交通まちづくり」の方針を打ち立て、歩いて楽しいまちづくりをめざし、基本的方向を決めるべきです。

④先進的な取り組みを行っている都市では、「多核連携のまちづくり」(熊本市)や「お団子と串」(富山市)。「環境首都」(フライブルク・独)、「トラム(LRT)を軸にしたまちづくり」(ストラスブール・仏)など特徴的なやり方がとられています。

神戸ではそのような先進例にみならいつつ、海と山に囲まれた魅力的な神戸を最大限に生かし、神戸らしい目的、方向性を市民の声で作り上げるべきです。

神戸市はLRT、BRT(バス高速輸送システム)の検討を打ち出してますが、ストラスブールのようにLRTを軸に考えたり、バスターミナルについても、協議会で希望があった観光バスの待機場所やタクシー乗車場所などもLRT導入を軸に考え、計画すべきだと考えます。

住む街をよくする活動に参加する権利


この協議会の運営や討議の内容について、一番大事な市民が主人公の立場が弱いと痛感します。この「会」の傍聴席は十席、会議の周知も弱く、出席者の構成も市民が少ない。粟生線の活性化協議会でも市民の声を聴き、「協働」をめざす態度が弱く、協議会が形骸化していて、たびたび粟生線の会でも申し入れしてきましたが、改まっていません。

和歌山電鉄貴志川線でも、東灘区住吉台くるくるバスでも、公共交通を守る「市民の会」がつくられ、多くの住民がこれに参加したことが成功の要因とされています。

自分の住む街をもっとよくするための活動へはすべての市民が参加する権利を持っています。この権利をしっかり保障することこそ、公共交通を守る一番の基礎となることです。「官僚主導」「市民の意見を聞かない」「過大な需要予測」などは、失敗の一番の原因になることを銘記すべきです。

会議の発言を聞いていて気になったことがあります。参加している交通事業者などの発言は、自社の利益のための要求が目立ったことです。要求を出すなとは言わないまでも、この協議会への参加は市民ための公共交通網の計画を作るために、「協働」することを求められているという自覚を持って参加してほしいと感じました。 (終わり)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

倉敷民商弾圧事件・無罪を勝ちとる兵庫の会が総会

憲法ないがしろの安倍政治のもと地域・団体でたたかい広げよう



「権力による『えん罪』『弾圧』許さない」と、「倉敷民商弾圧事件・無罪を勝ちとる兵庫の会」は六月十四日、第二回総会を開き百二人が参加しました。

同事件は、広島国税局が倉敷民商会員だった建設会社の法人税法違反を口実に、容疑とは関係のない同民商の三人の事務局員を法人税法違反、税理士法違反で逮捕・起訴した権力による弾圧。そして、安倍政権の「戦争する国づくり」に向けた、国民にものを言わせない、行動をさせない体制づくりの攻撃そのものであり、「暮らし・平和守ろう」と活動しているすべての運動団体に対する攻撃に他なりません。

男性事務局員二人に対する裁判では、岡山地裁、控訴審の不当判決に対し最高裁で裁判を開かせるたたかいをしています。女性事務局員の裁判は岡山地裁で審理中です。

主催者あいさつに立った「会」会長の松山秀樹弁護士は、「安倍政権の憲法をないがしろの政治のもと、この弾圧事件を自らのものとして地域、団体でたたかいを広めよう」と呼びかけました。

総会前日の十三日、最高裁判所に上告趣意書を提出した倉敷民商の須増和悦事務局次長は「全国連絡会の発足など運動の広がり大きな支えになっています。最後までのご支援を」とたたかいぬく決意を表明しました。

当面の活動として、①岡山地裁、最高裁への署名運動②個人・団体会員拡大と支援募金の強化③裁判傍聴運動④事件の本質を学ぶ学習活動―が呼びかけられました。また、津川知久兵庫労連議長、市川幸美救援会兵庫県本部会長、磯谷吉夫兵商連会長らが支援を訴え、弁護団事務局長の岡邑祐樹弁護士が上告趣意書の報告を行いました。
(田中邦夫=兵商連)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2016-6-15

「放射線被ばくによる健康破壊」否認:国の異常な執念


副島圀義

六月十五日の大阪地裁では、Yさんの訴えに関して崔信義弁護士が国側の「論建て」をきびしく批判しました。

 爆心地近くを歩いたことを被爆者手帳の申請書に書いていない。爆心地には近づいていない。

 被爆者手帳は原爆投下時に長崎市区域内にいたことで取得できるので、その後の行動の詳細を書いていない場合は少なくない。肉親の証言も含め、二度、爆心地近くを歩いて多量の被ばくをしたことは明らかだ。

 食道がんの発病は喫煙・飲酒が原因で、被爆とは関係ない。

 放射線影響研究所の「寿命調査報告書」でも、放射線被ばくは食道がん死亡リスクを増大させる」としている。疫学上の研究成果として、禁煙して十年経てば発病リスクが四分の一まで低下する。Yさんは禁煙後二十年の発病なのでそれ以上のリスク低下といえる。



そもそも当時の被ばく線量は不明であり、七十一年前の行動の詳細を明らかにすることも困難です。日本被団協が「個別の認定制度をやめる。被爆者が、がん、心筋梗塞、甲状腺機能障害などの病気にかかった場合、その重篤度に応じた手当を支給する」との実際的な提言をしていますが、国は一向に受け止めようとしません。

残留放射線や内部被ばくを無視・軽視し、爆発時の直接被ばく線量推計値だけによる機械的な「放射線起因性」に執着し、原告一人一人に対する「放射線起因性の否定」にやっきです。この日の法廷にも、国側代理人は椅子が足りないほどの人数が並びました。傍聴者のいる前ではめったに発言もしないのに、国側が多人数で臨んでいることが分かります。

先日もビキニ水爆実験の被害漁船員の訴えに対して、厚生労働省は「内部被ばくは外部被ばくよりきわめて小さい」と切り捨てました。内部被ばくや低線量被ばくによる健康破壊を認めてしまったら「フクシマの被害者を切り捨てられない」「原発政策を維持できない」というのが国の本音なのでしょう。

こうした国の姿勢・政治のありかたを大きく変えないと大変だ、と実感しながらの傍聴でした。

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

トム・プロジェクト・プロデュース『百枚めの写真~一銭五厘たちの横丁~』

神戸演劇鑑賞会7月例会



昭和四十八年の秋。フリーのルポライター児玉隆也が出合った九十九枚の写真。それは昭和十八年に、桑原甲子雄が撮ったもの。陸軍省からフィルムを支給され、戦地にいる父や子、夫たちの戦意高揚のために家族を映した写真でした。

敗戦から三十年経て、東京大空襲で焼け残った蔵から出てきたネガ。その袋の〝氏名不詳〟の四文字にひきつけられた児玉は、九十九枚の写真の家族探しの旅に出た。

舞台は、旅の途中で偶然立ち寄った、根本一家の歴史を軸に、一枚、一枚の写真が映しだされる。写真の説明のナレーションが入る、変わった構成の舞台になっている。

一枚めの写真。家族七人が格子戸の前に並んでいる。二枚め。どこかの校庭。いずれの写真も父親がいない。つづいて、蝋燭屋、靴屋さん、麩屋の長谷川さん、指物師の川口さん、皮の打ち抜き屋の大塚さん。そして、氏名不詳のまま残った五十七枚が映し出される。

これらの写真には、天皇から一番遠くにいた庶民の戦中・戦後が刻み込まれていた。

家族の結びつき。悲しみの底にある愛。これらが、舞台全体を包み込む。特に反戦を歌ってはいないが、十分にその声は聞こえる。

さて、百枚めの写真は。お父さん、お母さん、子どもたちの笑顔ですね。

(小谷博子)

*
トム・プロジェクト・プロデュース公演『百枚めの写真~一銭五厘たちの横丁~』/原作=児玉隆也、写真=桑原甲子雄、作・演出=ふたくちつよし、出演=大西多摩恵、田中壮太郎ほか/①7月14日(木)19時00分②15日(金)13時30分③16日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金千円と月会費2カ月前納)、月会費3千5百円(大学生2千円、中高生千円)/☎078・222・8651、Fax078・222・8653

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」66号より

初夏の風の香りに胸ひらきドアにおとすは選挙のたより
山下 勇

釈明にもならぬ虚言の舛添知事傲然と居直る恥知らぬ顔
安武ひろ子

スーパーに「熊本」の文字目につきて西瓜トマトを籠に入れたり
塩谷凉子

ブランコの鎖が鳴りて我が町の公園の午後賑やかなこと
新井 幸

大陸との交流壱岐にみせられしか迢空の歌碑に向かふひととき
石井敏子

母植えし白き芍薬咲きにけり丁度「母の日」母に手向ける
鵜尾和代

五月二十二日人工島に集いたる三千八百人の笑顔と共感
山下洋美

沖縄のムゴイ事件のそのたびに綱紀粛正聞く耳持たぬ
西澤 愼

千羽鶴さわやかオバマ一陣の風と去りゆく夕暮れの空
古賀哲夫

結局は選挙で勝てばいいんでしょ居直り政治許しておけぬ
大中 肇

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん〈577〉



(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

全国遊説をアベさんは一人区から開始。しかし行った先々で、やりたくてしようがない改憲問題にはだんまりを決め込み、底の割れたアベノミクスの「成果」を語り、「もっとギアを上げエンジンふかす」とおっしゃる▼そしてなにより力が入るのは野党共闘への批判、というより罵ば詈り雑ぞう言ごん。「野合」を決め言葉としておつかいのようです。国語辞典をみると「正式な手続きを踏まずに結婚すること」となっています。一昔前風にいえば「親の承諾もなく仲人も立てず届けもしない」ということなのでしょうか▼さて「野合」という言葉は中国・漢の時代、司馬遷の著した『史記・孔子世家』に出てきます。「(父である)紇こつと顔がん氏のむすめが野合して孔子を生む」とあります。孔子を尊敬してやまなかった司馬遷。しかし稀代の歴史家として孔子の生母が正妻でなかったことをごまかさずに「野合」と記述したのは感動的ですらあります▼このたびの野党共闘、政党の合体ではなく共同ですから、「野合」というのは日本語の言葉づかいとしても誤っています。しかも市民運動がその「仲人」の役をしっかり果たしているのですから、もはや何をか言わんや。 (T)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次